伊予鉄道 城北線の日常
松山には路面電車が走っています。伊予鉄道、通称“いよてつ”という名で親しまれています。
一体的に運行されているのでわかりにくいですが、市内電車には下記の5路線が存在します。
今回はその1路線である城北線の日常を撮りに行きました。
実はこの路線だけ他が軌道法で運用されているのに対し、鉄道事業法で運用されているという違いがあります。
かつて松山には伊予鉄道と松山電気軌道という2社が競合しました。当時松山に来る主要交通機関は大阪と三津浜を結ぶ汽船でした。その三津浜と道後温泉を結ぶ路線は当初は松山の財界が設立した伊予鉄道がありましたが、これに対し三津浜の財界が対抗して設立したのが松山電気軌道です。熾烈な争いを繰り広げましたが、最後は松山電気軌道が伊予鉄道に吸収合併されて今日に至り、松山電気軌道をルーツに持つ路線もいくつかあります。。この城北線もその一つで当時は今よりも少し北の今で言う樋又通りを走っていたそうです。それから移設されて今日の路線に至っています。
市中心部を走る他路線と違って住宅地や病院、大学や高校といった学校周辺を走る城北線はどこかローカルな雰囲気が増します。
朝夕はやはり学生の利用者が多いですね。雨の日は普段は自転車通学の学生も乗るので結構満員となります。たまに2本連続(いわゆる続行運転)で来たりもします。
単線なのでいくつかの駅で列車交換を行なっており、撮影地の鉄砲町駅もその一つです。
10分に1本のそれなりに高頻度な運行なので便利ですね。
適度に草が生えた線路を走る様子は併用軌道とはまた違った趣があります。
大学がすぐ近くなので周辺一帯は学生街です。なので古く情緒があるように見えますが、平均年齢は低い街で活気があります。
小さな電車と小さな駅、見慣れすぎてなかなか気づかないのですが、めちゃくちゃエモい景色ですよね。
軽快なジョイント音が心地よく街に響き、ゆったりとした時間が流れます。形を変えながらでもこの情景が末長く続きますように…